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日本ならではのホテル運営

日本政府の後押しによるインバウンド需要倍増計画も実施され、海外から訪れる観光客をターゲットにしたビジネスモデルの展開が続いています。
海外からは高級ホテルが続々と日本に上陸し、7000室を超える開業ラッシュが続くなか、2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、日本国内だけでなく、世界的に観光業界全体を襲う未曾有の危機に直面しました。2020年の東京オリンピックに向けてのインバウンド戦略も一年のオリンピック延期に伴い頓挫する最中、新型コロナ感染症対策をふまえた日本独自のスタイルを模索しながら、アフターコロナに向けて、奮闘しています。

「東京オリンピックが終われば、需要は一気に落ち込む」との悲観論も専門家から声が上がっていますが、それは短絡的な見方です。東京オリンピックに続く、日本での大きなイベントはワールドマスターズゲーム、大阪万博とこの先も用意されています。今後の大きなイベントに向けて、インバウンド需要を取り込むための観光業界で進む地殻変動の表れはまだまだこの先も続いていきます。

その先見の明をもつ世界の大手ホテル企業、ハイアット、インターコンチネンタル、ヒルトン、マリオットは日本の風習を取り入れたホスピタリティを提供しつつ、ホテル運営会社としての競争力を向上しています。

また、日本のホテル運営として、「おもてなし」の心があります。「おもてなし」を簡単に説明すると、心のこもった待遇を指します。
そして日本の「おもてなし」で、最も気をつけているのは日本語です。
「美しい日本語も商品の一つ」と位置づけられ、マニュアルどおりではない現地の人々の心にスーッと入る説明不要のアプローチに加え、心地のより敬語表現を追及しています。

それでは日本のホテル運営の形態と海外からも注目される日本のおもてなしについて説明していきます。

グローバル化を目指す日本のホテル運営

「ホテル」とは極端に説明すると、「西洋式の旅館」で、19世紀初頭に開業したドイツの「バーディッシュホーフ」が欧州の本格的なホテル第一号と言われています。
現在の日本式の旅館とは異なり、都市や交通の要衝で発達してきました。

そして21世紀には、多種多様なホテルや旅館、ゲストハウスなどのホテル形態が展開されており、その経営方式や運営の仕方は、いくつかの分類に区分されています。
まずはその特徴について説明していきます。

ホテルの経営形態

ホテル事業でのホテル経営とは「利益を上げるための土台作り」です。
世界に通用する「新しい日本らしさ」を追及し、世界進出している星野リゾートの星野佳路代表がわかりやすい例だと思います。
サービスの方針や内容の決定など、「利益を上げるための土台作り」を最前線で担う立ち位置です。

メモ

株式会社星野リゾート(ほしのリゾート)とは、本社を長野県北佐久郡軽井沢町におく総合リゾート運営会社である。
参照:ウィキペディア

またホテルの運営とは、「利益を上げるための土台」、ホテルの建物と体制を使って決められたサービス方針や内容に基づき、実際にホテルを切り盛りしていくホテル支配人がその役割を担っていきます。
そして「利益を上げるための土台」を単独経営していくかチェーン型経営にしていくかは経営者が選択していきます。
星野リゾートは大別するとチェーン型経営となりますが、帝国ホテルは単独経営となります。

メモ

帝国ホテル(ていこくホテル、英称:Imperial Hotel)は、東京都千代田区内幸町にあるホテル。運営者の株式会社帝国ホテルは帝国ホテル東京の他、帝国ホテル大阪、上高地帝国ホテルを直営している。日本を代表する高級ホテルであり、ホテルオークラ、ニューオータニとともに「御三家」(ホテル御三家)と呼ばれることもある。
参照:ウィキペディア

単独型経営

先述したとおり単独型経営の代表的なホテルは帝国ホテルとなりますが、建物の所有、経営、運営が同一の経営体によって行なわれていることが単独型経営となります。
国内ではシティホテルなど多くがこのタイプに当てはまり、個人経営のペンションや民宿、温泉旅館なども単独型経営をしているところがあります。

チェーン型経営

星野リゾートがこのタイプに属され、所有、経営、運営を分離させて、それの分野のプロを置くことで、資本的コストを削減し、コンビニ業界と同様、複数の施設をチェーン化することでスケールメリットが発生し、効率的なホテル経営が可能になります。

美しい日本語も商品の一つのおもてなし

日本ならではのホテル運営の一つとして、旅館などが力をいれている「おもてなし」があります。
正しい日本語を学習し、正しい言葉使いで、お客様をもてなす作法は、今後もホテル運営の課題として取り入れられていきます。
社会人の新人研修としても日本語を学ぶ研修などもホテルまたは旅館などでも行われており、学生などのインターシップなどでも毎年、カリキュラムとして教育課程に組み込まれています。
また海外からも実習生として日本語を学ぶ学習要素としてメディアでも紹介されています。

特に日本のホテル運営として気を付けていることは、マニュアル通りではない心地のよい敬語表現を追求しており、言葉遣いには徹底した日本独自のおもてなしがあります。
ホテルのチェックイン時に必要とするお客様へのシンプルな敬語を例にご紹介します。

「おもてなし」を取り入れた美しい日本語

ホテルでの接客7大用語

いらっしゃいませ
かしこまりました
申し訳ございません
おまたせいたしました
恐れ入ります
ありがとうございます(ありがとうございました)
少々お待ちください

これらはいずれも、ホテルの接客の際に頻繁に使われる代表的な言葉です。そのフレーズを正しく心を込めて発声することがなによりも大切で、言葉にふさわしい心遣いを身につけることも日本独自の「おもてなし」には必要です。

接客7大用語を基本として、お客様がホテルへご来館された際に、まず確認することは予約の確認です。ここでも意外と使ってしまっている間違いな敬語があります。
まずはゲストカードにお客様の氏名・電話番号・住所などを記入してもらい客室へ案内をします。

× ご記入いただくかたちになっております。
○ ご記入いただくようになっております。
× お部屋のほうへご案内いたします。
○ お部屋へご案内いたします。

 「かたち」や「のほうはともに必要のない単語。

またお客様がゲストカードへ記入したさいの確認事項として、名前と人数の確認があります。

× お名前様、ご人数様
○ お名前、ご人数

名前や人数は人名ではないため、「」をつける必要はありません。

× お名前を頂戴できますか。
○ お名前をお伺いできますか。

お名前はものではないので受け取れません。

× 林様でございますね。
○ 林様でいらっしゃいますね。

「ございます」は自分に対して使う丁寧語なので、相手に向けて使うのは間違いです。

 × お客様が申されたように
 ○ お客様がおっしゃいましたように

尊敬語の助動詞「れる」を使っているので正しいように聞こえますが、「申す」は謙譲語です。

また、シンプルな敬語というより、「おもてなし」を取り入れた美しい日本語として、お客様の希望に添えないとき、お願いをするときには、過剰な強さやネガティブな印象をやわらげる効果を持つ言葉として「クッション言葉」を付け加えています。

× フロントまでお電話ください。
○ 恐れ入りますが、フロントまでお電話ください。

お客様へお願いをするときに用いられる「恐れ入りますが」「差し支えなければ」「お手数をおかけいたしますが」「よろしければ」など柔らかい言い回しにできる「クッション言葉」があります。

ちなみに、ホテルなどの接客業の接客マニュアルでは、下記の言葉は言い換えて使用しています。

すみません → 申し訳ございません
できません → いたしかねます
わかりました → かしこまりました
そうです → さようでございます
少し → 少々
知りません → 存じません
いいです → 結構でございます
…ですか → …でございましようか

まとめ

日本語は敬語の種類も様々です。尊敬語、謙譲語、丁寧語と日本の習慣を取り入れた場面で使いこなすのも日本独自の「おもてなし」になります。
間違った敬語を使うことで、自分の立場の優位性をしっかりと認識していないと知らず知らずのうちに相手に不愉快な思いをさせてしまう場合もあるので、しっかりとした日本語を学ぶことがこれからのホテル運営の接客には必要不可欠な課題です。

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